8.全産業で商品開発競争激化

 製造業だけでは無い。農業、漁業、旅行業、音楽、スポーツなど、人が生活している全ての分野で壮絶にお金の争奪戦を繰り広げている。

 イチゴの新品種「紅ホッペ」をご存じだろうか。ぶどう「シャインマスカット」は、あれほど高い(あくまでも個人の感想)のに、輸出でのドル箱になっている。農業分野では品種改良(商品開発)が精力的に取り組まれてきた。

 植物は、自然界に昆虫をはじめ動物が登場して以降、食べつくされ絶滅するのを逃れる為に、様々な戦略を展開して来た。そんな中で、多くの植物の葉っぱは「苦味」を持つに至った。キク科のレタスのそんな植物の一つで、虫が付かないことでも有名である。もちろん原種は少々苦味がある植物で、葉っぱも小さい。様々な取り組みがなされた。品種間の掛け合わせ、肥料をはじめとする栽培方法の研究、朝採りなど収穫方法、保存方法等々。完成したのはレタス(結球レタス)、サンチェ、グリーンカール等々の数多くの品種であり、サラダに欠かせない食卓の常連になった。レタスはシャキシャキとした食感で柔らかく、どんな食べ物にも相性が良い。ロメインレタスを除いて、苦味が無くなった。

 種なしぶどう、種無しスイカ、雪中キャベツ、米、リンゴ、ミカンなど、全ての農業分野で、商品開発が激しく展開されている。「米はササニシキ」と思っていたのが、コシヒカリやホマレやコマチ、金のイブキや銀河のしずくなどなど。うまいと評判が立てば売れるが、負けるとシェアを奪われる。

 ハイブリッド種子をご存じだろうか。その種を使うと大変美味しい野菜が沢山収穫でき、病害虫にも強い。農家は、その種を種子メーカーから購入して、野菜を生産すれば高利益が約束されている。しかし、このハイブリッド種子は1代限りで、農家が種をとって翌年育ててもまともな野菜が出来ない。高利益を上げ続ける為には、種子メーカーからハイブリッド種子を購入し続けることとなる。人類は植物の遺伝法則すら商品の差別化技術とするまでになっている。

 漁業でも、漁具の開発、船の改良、漁法の開発、漁場の開発などでしのぎを削って来た。 養殖漁業も盛んで、浜松に行くと、そこここのプールに羽根車が勢いよく回り、ウナギが大量に養殖されている。牡蠣、チョウザメ、鯛、フグ、ハマチなども養殖ものになってきた。不可能といわれたマグロ養殖も「近大マグロ」として確立され、ウナギの完全養殖などの研究も進行している。

 観光旅行業、音楽業界、スポーツ業界など、ありとあらゆる業界で、生き残りをかけた商品開発競争が毎日、激しく展開されている。このような競争の中で、数多くの発明がなされている。

Report 1 人類と創造力そして未来


目次(ClickJump)
1  はじめに
2  現生人類を特徴つける認知革命
3  認知革命はいかにして起きたか
4  農業革命とお金の発明
5  お金は世界に広がっていった
6  お金が経済を発展させてきた
7  激しい商品開発競争
8  全産業で商品開発競争激化
9  革新的大発明が社会を大変革
10  商品で会社、個人が評価
11  国は経済的合理性で評価
12  社会構造は商品開発力で評価
13  韓国社会(おまけ)
14  お金儲けは時に暴走する
15  経済的合理性と人道の矛盾
16  政治・法律は利権の塊
17  民主的統制で暴走を抑える
18  科学的な政治が必要
19  商品開発の様々なあり方
20  未来が始まっている
21  次の20年の激変
22  輝かしい未来へ
 
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◆ ホームページ発行人 林 信之
    岐阜県多治見市在住
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◆ 版権者   林 信之