2.現生人類を特徴づける認知革命

 約7万年前に現生人類(ホモサピエンス)に「認知革命」が起き、それが人類発展の起点となった。

 今から7万年前に現生人類の一群は、東アフリカイエメン付近の紅海を、ユーラシア大陸の一部であるアラビア半島に歩いて渡った。その時代は氷河期であり、海面は50mも低く、イエメンとアラビア半島の間は10㎞程度であり、海は歩いて渡れるほど浅かった。

ところで地球表面で、海は三分の二の面積を持つから、海面が50m低いということは、三分の一の面積の陸地には平均100mの厚さの氷河で覆いつくされていたことになる。産業が全く存在しない地球では「温室効果ガス」が全く無く、地球は冷え切って氷河時代になっていた。ウソである。30万年前からだけ見ても、3度の氷河期があり海面が今より110mも低い時代存在した。その当時大陸は平均200mの氷河が存在した。地球気温も氷河期と間氷期で約10度変化した。つまり、産業活動により発生した二酸化炭素による地球気温上昇説にはウソがある。この問題は、極めて深刻な問題なので、「歴史を押しとどめるもの」でお話する。なお、国立研究開発法人海洋開発機構の発表している海面の高さの推移に関するグラフを参照されたい。

話をもとに戻そう。現生人類のふるさとである東アフリカの大地も氷河時代で食糧不足の状態であったのかも知れない。一方、赤道に近いアラビア半島の海岸部分はそれなりに緑に包まれていた。現生人類の若者たちの何度かの冒険渡海の後に、部族単位での、数千人規模の紅海の渡海、大移動を行った。ユーラシア大陸に上陸した人類は、アラビア半島海岸線を反時計方向に移動し、チグリス・ユーフラティス川のほとりにたどり着いた。そして現生人類は、その後数万年かけて4大陸に移動していった。日本には約4万年前にたどり着いた。その当時、氷河時代で海面が現在より100m以上も低く、日本列島は大陸と陸続きで、日本海は淡水湖であった。

東アフリカから世界へ移動を開始する7万年前頃に、現生人類史上最も特筆すべき「認知革命」が起きている。この顛末はユバル・ノア・ハラリの「サピエンス全史:河出書房新書」に詳しく書かれている。特に上巻は圧巻、必読書である。7万年を前後して発掘された遺物の内容に大きな変化がある。これ以降、人類は船、ランプ、弓矢、針などを発明した。そして3万5千年前には頭がトラで体が人間である、想像上の像を作り出している。これは「宗教」の出現を意味する。人類は、現存しないものを想像する力を手に入れた。そして動物界から離陸し、現代社会への飛行を始めることとなった。

 旧約聖書に、「モーゼの海割り」や「エデンの園で、蛇に騙されたイブが、知恵のリンゴを食べて、荒野に追放される」など、イエメンの海を歩いて渡ったことや、チグリス・ユーフラティスから世界に移動していったこと、認知革命があった事を思わせる話が残されている。口伝で人類の歴史が伝えられてきたのであろうか。

 「認知革命」の結果、人類は抽象思考が出来るようになった。宗教、国家、民族などの具象物ではないものをあたかも現実に存在するかのように認識することができる。また道具を開発したり発明したりする「創造力」を手に入れた。人類史を動かす「革新的な大発明」の準備が整ったのである。

Report 1 人類と創造力そして未来


目次(ClickJump)
1  はじめに
2  現生人類を特徴つける認知革命
3  認知革命はいかにして起きたか
4  農業革命とお金の発明
5  お金は世界に広がっていった
6  お金が経済を発展させてきた
7  激しい商品開発競争
8  全産業で商品開発競争激化
9  革新的大発明が社会を大変革
10  商品で会社、個人が評価
11  国は経済的合理性で評価
12  社会構造は商品開発力で評価
13  韓国社会(おまけ)
14  お金儲けは時に暴走する
15  経済的合理性と人道の矛盾
16  政治・法律は利権の塊
17  民主的統制で暴走を抑える
18  科学的な政治が必要
19  商品開発の様々なあり方
20  未来が始まっている
21  次の20年の激変
22  輝かしい未来へ
 
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◆ ホームページ発行人 林 信之
    岐阜県多治見市在住
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